【8月21日 AFP】リビア首都トリポリ(Tripoli)で20日夜、銃撃戦と爆発があった。反体制派側は、24時間で3つの重要都市を制圧したとしており、首都への包囲網を狭めつつある。反体制派指導者は、42年間続いたリビア最高指導者のムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の政権は崩壊目前だと語った。

 イスラム教の断食月であるラマダンの中、断食の終わる日没後に、首都トリポリでは爆発と銃撃戦が発生。目撃者によると、トリポリ東部のSoug Jomaa地区、アラダ(Arada)地区、タジュラ(Tajura)地区で戦闘が発生した。

 リビアのムサ・イブラヒム(Moussa Ibrahim)報道官は、テレビ会見で、首都での戦闘は短時間で終わり「状況は収拾した」と述べ、カダフィ体制支持者らが反体制派を撃退したと付け加えた。また同報道官は、カダフィ体制が崩壊寸前との憶測を「メディア攻撃」と否定した。だが、報道官が会見した後もトリポリでは銃声が鳴り響いた。

 反体制派は重要拠点の産油都市ブレガ(Brega)を掌握したとして喜びにわき上がっていた。前日にはザウィヤ(Zawiyah)とズリテン(Zliten)の重要都市を制圧したと発表している。

 民衆蜂起から6か月が経つ中、リビア反体制派の国民評議会(Transitional National CouncilTNC)のムスタファ・アブドルジャリル(Mustafa Abdel Jalil)議長は20日、反体制派の拠点、東部ベンガジ(Benghazi)で会見し、勝利は目前だと語った。

 最近は、カダフィ大佐がリビア出国を準備しているとのうわさも広がっている。

「カダフィ大佐の側近からの接触もある」とアブドルジャリル議長は述べ、「終わりはすぐそこだということを、あらゆる証拠が示している」と語った。(c)AFP/Imed Lamloum