【8月10日 AFP】リビア政府は9日、北大西洋条約機構(NATO)が8日にリビア国内の村に行った空爆で、女性と子どもを含む民間人85人が死亡したと発表した。

 リビア政府報道官によるとNATO軍は、政府軍が掌握しているリビア西部の町ズリテン(Zliten)に反体制勢力が入るのを支援するため、ズリテンから南に10キロのマジェル(Majer)村に8日午後11時(日本時間9日午前6時)ごろから空爆を始めた。

 この報道官が報道陣向けの取材ツアーで説明したところによると、最初の3発の爆弾が落ちた後、多くの住民たちが家族を救助するため爆撃を受けた家に飛び込んだ。その後さらに3発の爆弾が落ちたという。この空爆で、12家族の子ども33人、女性32人、男性20人の計85人が死亡したという。

 報道陣が取材した犠牲者の葬儀では28人の遺体が地元の墓地に埋葬された。AFPの記者によると参列した大勢の人々はNATOと「スパイと裏切り者」に対する怒りをあらわにしていた。

 リビア国営ジャマリヒリヤ通信(JANA)は、最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が、世界の大国は「NATOによる見るに堪えない虐殺」の責任をとらされるだろうと述べたと報じた。

 NATOのスポークスマンは、空爆は合法的なもので、現時点で民間人が死亡したとの証拠はないと語った。(c)AFP/Imed Lamloum