【8月8日 AFP】シリア各地で7日、政府軍による反体制デモの鎮圧があり、人権活動団体などの話によると少なくとも一般市民50人が殺害された。

 シリア人権連盟(Syrian League for the Defence of Human Rights)の代表者の話によると、東部デリゾール(Deir Ezzor)のデモには治安部隊の戦車が投入され民間人42人が死亡し、銃撃戦で100人以上が負傷したという。このほか、中部ホムス(Homs)近郊のフラ(Hula)でも少なくとも10人が、軍の鎮圧で死亡したという。

 ロンドンに本部を置く人権団体「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」のメンバーによると、シリア第2の都市、北部アレッポ(Aleppo)でも同日夜、数百人が道路を埋め尽くし、アサド政権打倒を訴え、デリゾールなどとの連帯を示した。

 また、ローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedict XVI)やアラブ連盟(Arab League)も、政権側の弾圧行為を非難する声明を発表している。

 しかし、国営シリア・アラブ通信(SANA)が伝えたバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の談話によると、同大統領は「道路を遮断し、都市を封鎖し、住民を恐怖に陥れる無法者たちの取り締まりは、治安を守り市民の生命を保護する国家の任務の1つだ」と述べ、鎮圧の手を緩める姿勢はみせていない。(c)AFP