【8月3日 AFP】民族間の緊張が高まる中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のカシュガル(Kashgar)で、前週末に2日連続で起きたナイフ殺傷事件を捜査していた警察は1日深夜、逃亡していた容疑者の男2人を追跡中に射殺した。

 警察は射殺した容疑者について、2人ともイスラム教徒のウイグル人だと発表している。国営新華社(Xinhua)通信によると、警察は前週末に発生した2件のナイフ殺傷事件のうち、31日に飲食店で6人が刺殺された事件に関与したとしてこの2人の行方を指名手配し、逮捕につながる情報を提供した人には10万元(約120万円)の懸賞金を払うと発表していた。

 これにより週末の事件に関連した死者の数は、犠牲となった市民13人と、襲撃を実行したグループ6人に今回の2人を合わせ、計21人となった。

 新疆ウイグル自治区は、中国では少数派でイスラム教徒が多いウイグル人が人口の半数を占めているが、漢民族との格差や、中国政府による政治的・宗教的な抑圧に不満を抱いている。

 中国当局は31日の事件の実行グループは、隣国パキスタンで東トルキスタン・イスラム運動(East Turkistan Islamic Movement)が運営するキャンプで訓練を受けた「テロリスト」だと発表している。

 事件後は市内に大量の警官が出動し、街は静まりかえっていたが、イスラム教の断食月「ラマダン」に入った2日には店舗やオフィスが再開し始めていた。しかし、市民6人が刺殺された飲食店では、いまだ逆さまになったテーブルの間に血痕が残り、惨劇の様子を伝えていた。カシュガル市内にある中国最大のモスクの前には武装警官が立って警戒している。(c)AFP/Marianne Barriaux