CIAのビンラディン追跡作戦、「偽の予防接種」でDNA採取試みる 英紙
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【7月14日 AFP】英紙ガーディアン(Guardian)は12日、米軍の急襲作戦で5月2日に殺害されたウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の捜索にあたり米中央情報局(CIA)が、予防接種を装ってビンラディン容疑者の潜伏先とみられる邸宅内に暮らす人びとのDNA採取を試みていたと報じた。
ガーディアン紙によると、ビンラディン容疑者のクーリエ(手紙やメッセージの運び屋)を追跡して邸宅を突き止めたCIAは、邸宅内の人びとの身元を特定するため、パキスタン人の現地医師にDNA採取を指示。事前に入手していたビンラディン容疑者の姉妹のDNAと照合しようとしたという。
CIAの指示を受けたシャキル・アフリディ(Shakil Afridi)医師はまず、本物の予防接種にみせかけるためのキャンペーンをアボタバード(Abbottabad)の貧困地区で始め、その後すぐにビンラディン容疑者の潜伏していた郊外の高級住宅地ビラルタウン(Bilal Town)に移った。看護師が邸宅内に入り込むことに成功したが、パキスタン情報筋によれば、DNA採取には失敗したという。
この医師は既にパキスタン当局に逮捕されている。
ガーディアン紙は、この予防接種キャンペーンについて「何もかも全くもって普通ではなかった」「ビラルタウンは富裕層地区だ。無料の予防接種に、なぜそんな地区を選ぶ?」とのパキスタン高官の発言を伝えた。(c)AFP