【7月12日 AFP】ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は11日、米国とフランスの在シリア大使館がバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領支持派の群衆に襲撃されたことを受け、アサド大統領は「正当性を失った」と述べた。

 前週、米国とフランスの大使が反体制派の拠点であるシリア中部のハマ(Hama)を訪問していたが、アサド政権支持派の群衆は11日、両国がシリアへの内政干渉を画策しているとして両国大使館を襲撃した。

 クリントン国務長官は「アサド大統領は欠かせない人物ではないし、アサド氏の政権維持をわたしたちが支援したことも一切ない」と述べ、体制変革を要求するデモ隊に厳しい弾圧を加えるアサド大統領への批判を大幅に強めた。

「アサド氏は正当性を失った。われわれの目標は、民主化移行を求めるシリアの人々の意志が実現されるのを目撃することだ」(ヒラリー・クリントン米国務長官)

 仏外務省によると、シリアの治安部隊が見つめるなか、アサド政権支持者たちが仏大使館施設に押し入り、窓を割り、車を破壊した。襲撃でフランス人職員が負傷し、警備員がやむなく3発の威嚇射撃をしたという。

 米政府によると在シリア米大使館職員は負傷していない。(c)AFP

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