【6月19日 AFP】4か月前から国内各地で続いている反体制行動を政府が厳しく弾圧しているシリアで18日、軍の戦車などがトルコとの国境に近いブダマ(Bdama)の村に入った。

 ロンドン(London)を拠点とする「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)氏は、キプロスのニコシア(Nicosia)から電話でAFPの取材に応じ、少なくとも戦車6両と兵員輸送車15両がこの村に入り、「激しい銃撃」があったと語った。

 ブダマは最近治安部隊が弾圧を始めたジスル・アッシュグール(Jisr al-Shughur)から北に1~2キロ離れている。シリア政府は北西部イドリブ(Idlib)県での取り締りを拡大している。ブダマにはジスル付近から国境を越えてトルコに逃れようとする避難民が集まっていた。シリアからトルコに逃れた避難民はすでに1万人を超えている。

 シリア国内の反政府組織は、17日に中部ホムス(Homs)などシリア各地で行われた反体制デモを当局が武力で弾圧し、5人が殺害されたホムスをはじめ各地で合わせて少なくとも19人が死亡したと発表した。

 英国は、事態が悪化すれば在シリア英大使館が在留英国人を十分に支援できなくなる公算が高いとして、シリア国内にいる自国民に速やかに国外に出るよう呼びかけた。(c)AFP