【6月17日 AFP】リビアのトリポリ(Tripoli)を訪れているロシアのミハイル・マルゲロフ(Mikhail Margelov)大統領特使は16日、リビアのカダフィ政権と反体制派が直接対話を行っていると述べた。

 マルゲロフ特使は前週、反体制派が拠点としているリビア東部のベンガジ(Benghazi)を訪れた後、首都トリポリ(Tripoli)に立ち寄り、バグダディ・アリ・マハムーディ(Baghdadi al-Mahmudi)全人民委員会書記(首相)と会談した後にこの発言をした。

 タス通信(ITAR-TASS)によると、マルゲロフ特使は「現在、リビア政府と反体制派の間で直接対話が進行しているのは確かだ。リビア首相が私に話したところでは、昨日パリ(Paris)で両者間の接触がいったんひと区切りした」と述べ、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領にも「一連の接触の結果が報告されている」と語った。マルゲロフ特使はどのような話し合いがもたれたのかについては触れなかった。

 一方、リビアのマハムーディ首相はトリポリで記者会見し、国際社会が求めているカダフィ大佐の退陣は「越えてはならない一線だ」と語った。これに先立ち、カダフィ大佐の次男セイフイスラム・カダフィ(Seif al-Islam Kadhafi)氏はイタリア紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)とのインタビューで、国際監視団の監視の下ですみやかに選挙を行うことが、行き詰っているリビア情勢を痛みをともなわずに打開する唯一の道だとの認識を示した。

 しかし米国務省のビクトリア・ヌランド(Victoria Nuland)報道官は、「カダフィ大佐やその周辺から民主化へのなんらかの提案があっても、やや遅きに失した」と述べ、カダフィ氏はすみやかに退陣すべきとの見解を示した。(c)AFP/Imed Lamloum