【6月6日 AFP】イスラエルが占領するゴラン高原(Golan Heights)で5日、シリア側から境界を越えようとしたシリアのデモ隊にイスラエル軍が発砲し、シリア国営メディアによると子どもや女性を含む23人が死亡、350人が負傷した。

 発砲が起きたのは、シリアとの境界にあるゴラン高原のマジャルシャムス(Majdal Shams)。デモ隊の数百人が境界に押し寄せ、シリアとゴラン高原を隔てる有刺鉄線を切断したりフェンスを越えて、ゴラン高原側に越境しようとしたところ、イスラレル軍が発砲した。境界付近には地雷も埋められている。

 イスラエル軍報道官は、AFPに対し、「何度も口頭や警砲で、事前に警告していた。それでもシリア人たちは境界に前進し続けたので、デモ隊の足元に向けて発砲するしかなかった」と説明した。

 5日は、イスラエルがシリアからゴラン高原を占領した1967年の第3次中東戦争(6日間戦争)開戦から44周年にあたり、ヨルダン川西岸(West Bank)やガザ地区(Gaza Strip)の両パレスチナ自治区でも、イスラエルへの抗議行動があった。この戦争で、イスラエルはヨルダンやエジプトからヨルダン川西岸やガザ地区も占領している。

 ゴラン高原とシリアとの境界付近では、前月からパレスチナ人やシリア人らによる数千人規模の抗議行動が行われていた。(c)AFP/Yoav Lemmer

【関連記事】イスラエル国境各地でパレスチナ人がデモ、軍の発砲で12人死亡