【5月13日 AFP】リビア政府は12日、首都トリポリ(Tripoli)にある最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の所有する建物が同日未明に北大西洋条約機構(NATO)の空爆を受け、3人が死亡したと発表した。

 リビア国営テレビは攻撃の数時間前に、この建物でカダフィ大佐が東部の部族の代表らと会談をしているとする映像を放映していた。リビア政府は空爆には地下貫通型爆弾(バンカーバスター)が使用され、下水施設が破壊されたと主張している。

 カダフィ大佐の映像が放映されるのは、4月30日にNATO軍の空爆で大佐の末息子セイフ・アラブ(Seif al-Arab Kadhafi)氏と孫3人が死亡して以来、初めて。リビア当局者は、映像が撮影されたのは11日午後7時半(日本時間13日午前2時半)だとAFPに語った。

 NATO軍は11日、トリポリなどで計46回の空爆を行っている。

 一方、政府軍による包囲が続く西部ミスラタ(Misrata)のAFP特派員によると、反体制派は同日、ミスラタの空港を制圧した。現地の反体制派司令官によると、反体制派は現在、海岸沿いの道路をトリポリに向けて進軍しており、ズリテン(Zliten)まで10キロに迫っているという。

■反体制派「首相」が訪米、カダフィ大佐に月内に逮捕状か

 こうしたなか米ホワイトハウス(White House)は、反体制派の指導者で「国民評議会」によって暫定内閣の首相に選ばれたマハムード・ジェブリル(Mahmud Jibril)氏が13日、ワシントンD.C.を「公式訪問」し、トム・ドニロン(Tom Donilon)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と会談すると発表した。

 また、伊ANSA通信はフランコ・フラティニ(Franco Frattini)伊外相の話として、国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)が今月中にもカダフィ大佐の逮捕状を発行すると報じた。(c)AFP

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