【5月2日 AFP】リビアの首都トリポリ(Tripoli)で1日、北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆で最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の息子と孫らが死亡したことに抗議する群衆が、イタリアや英国公館などを襲撃した。

 NATO軍が前夜、実施した空爆ではカダフィ大佐の末の息子セイフ・アラブ・カダフィ(Seif al-Arab Kadhafi)氏(29)と孫3人が死亡。リビア政府は、空爆はカダフィ大佐の暗殺を狙ったものだとNATOを非難している。

 現地のAFP記者によると、空爆に怒った群衆が数時間後、トリポリのイタリア大使館や駐リビア伊大使、同英国大使らの公邸に押しかけて火を放った。だが、すでに英国は内紛が始まった2月に駐リビア大使を召還しており、イタリアも3月に在リビア公館を閉鎖していることから襲撃当時、館内や公邸は無人だったという。
 
 一方、イタリア、英両政府も襲撃の事実を確認。英国のウィリアム・ヘイグ(William Hague)外相は報復措置として、駐英リビア大使を国外退去処分にすると発表した。また、イタリアのフランコ・フラティニ(Franco Frattini)外相も、「深刻で卑劣な行為」と襲撃を非難した。(c)AFP/W.G. Dunlop

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