【4月26日 AFP】シリアの民主化要求デモの中心地の1つ、同国南部のダルアー(Daraa)で25日に始まった軍による住民の武力弾圧は、26日も続いた。

 在ダルアーの活動家、アブドラ・アバジド(Abdullah Abazid)氏は26日、AFPの電話取材に「いまも住民に対する発砲が続いている。だがわれわれは抵抗している」と語った。

 シリアでは3月中旬からバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の独裁体制への抗議デモが続いている。

 25日のシリア軍の攻撃は明け方に始まった。活動家らによると、約3000~5000人の兵士がダルアーを急襲し、市中心部には戦車が配備され、屋上には狙撃兵が配置された。現地の活動家や目撃者によると、25日の死者は少なくとも25人に上ったという。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、ダルアーでは民間の建物が戦車に砲撃されていると指摘し、「変革を求める国民に対するシリア政府の残虐な対応は、これまでにないほど悪化している」と発表した。

 また、ロンドン(London)を拠点とする「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」の有力活動家、ラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)氏は、アサド政権はデモ鎮圧に「軍事的解決」を選択したと語った。

 一方、米政府は、対シリアの制裁措置の検討に入るとともに、在シリア米国大使館職員のうち必要な職員以外は全員退避するよう命じた。大使館業務は可能な限り続けるという。また米国務省はシリア国内に残っている米市民に、不要不急の移動を控えるよう呼び掛けた。(c)AFP