【4月26日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」は25日までに、キューバ・グアンタナモ(Guantanamo)米海軍基地に収容されているテロ容疑者の拘束や釈放に関するずさんな管理を示した米軍の機密文書700通あまりを公開した。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)、英デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)、仏紙ルモンド(Le Monde)などと共に文書を入手した米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が25日報じたもので、米当局が容疑者の危険度判定において誤った証拠に翻弄(ほんろう)されるなどして混乱をきたしていた様子がうかがえる。

 文書によると、信頼に値しない別の容疑者や拷問を受けた容疑者の証言といった不正確であいまいな情報に基づき、裁判を受けずに長期間拘束されていた無実の容疑者が数百人存在した。  

■釈放後、自爆攻撃仕掛けた容疑者も

 一方で、2004年に釈放が決定され、アフガニスタンに送還された旧支配勢力タリバン(Taliban)の主要メンバー、Abdullah Mehsud容疑者が、米軍への攻撃や31人が死亡したパキスタン内務省への攻撃を指揮していた事実が浮かび上がった。07年にはパキスタンで自ら自爆攻撃を仕掛け、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者に称賛されている。

 同容疑者の取り調べの詳細を記した03年の文書には、「(容疑者は)米国や米国の国益への脅威にはなりえない」とあるが、容疑者は取り調べで偽名を使うとともにうその証言をしていた。

 デーリー・テレグラフは、グアンタナモに収容された容疑者779人のうち、少なくとも150人は、国籍がアフガニスタンまたはパキスタンの運転手、農業従事者、料理人など、テロ行為には一切関係のない人たちだったと報じている。(c)AFP/Dan De Luce