【4月25日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)軍は25日未明、リビアの首都トリポリ(Tripoli)にある最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の事務所を空爆した。

 25日未明、トリポリの数か所で上空を戦闘機が飛び、激しい爆発がトリポリ市中心部を揺さぶった。これまでで最大規模の空爆で、揺れは外国メディアの記者が滞在しているホテルまで響いた。空爆は、22日からNATO軍が標的にしている複数の地域を標的に行われた。

 空爆されたカダフィ大佐の事務所などがある場所に報道陣を案内したリビア政府当局者は、空爆で45人が負傷、うち15人は重傷だと説明し、「カダフィ大佐の暗殺未遂だ」と語った。がれきの下に生き埋めになった人もいる可能性もあるという。

 また、カダフィ大佐の次男、セイフイスラム・カダフィ(Seif al-Islam Kadhafi)氏は、空爆について「卑劣だ」と表現。「カダフィ大佐の事務所へのこの卑劣な攻撃は、子どもをおびえさせることはできるかもしれない。だが、われわれは恐れていないし、戦いを止めるつもりもない」と述べ、NATO軍は「もはや敗北している」と主張した。

 NATO軍戦闘機は22日にも、カダフィ大佐の住居があるバブ・アジジヤ(Bab Al-Aziziya)地区を空爆していた。(c)AFP