【4月20日 AFP】16日に行われた大統領選の結果をめぐり、ナイジェリア北部では暴動が激化しており、多数の死者が出ているもようだ。死体が井戸に投げ捨てられているとの目撃談もある。

 18日に当選が確定したグッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)大統領は翌19日、政治および宗教の指導者らに対し、暴力を非難する声明を出すよう要請。さらに、暴動に参加しているのは主に「失業中の若者たち」だとして、「そうした若者たちが民衆の道具にならないよう」新政府は雇用対策などに力を入れると明言した。

 北部出身で最有力対抗馬とされたムハンマド・ブハリ(Muhammadu Buhari)元最高軍事評議会議長を支持する住民らが、票が操作されたとして起こした暴動は、18日までに14州に拡大した。政府は暴動により多数が死亡したと発表しているが、正確な死者数は公表していない。

 ナイジェリア赤十字社(Nigeria Red Cross)は19日、暴動による避難民は2万5000人に達したとの推定を明らかにした。関係者はAFPに対し、「状況は比較的落ち着いてきているが、昨夜はカドゥナ(Kaduna)州、カツィナ(Katsina)州、ザンファラ(Zamfara)州などで暴動が発生した」と話した。

 なお警察は、暴動に関連してこれまでに数十人を逮捕したと発表している。

■ブハリ氏、暴動を非難する短い声明

 南部の産油地域ニジェールデルタ(Niger Delta)出身のジョナサン氏の当選は、イスラム教徒が多数を占める北部とキリスト教徒が多数を占める南部間の緊張を露呈させ、暴動へと発展させた。

 選挙結果を拒絶し、暴動については沈黙を守ってきたブハリ陣営は19日、BBCハウサ語放送を通じて、暴動を非難する短いコメントを出した。(c)AFP/Aminu Abubakar

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