【4月19日 AFP】イタリアのフランコ・フラティニ(Franco Frattini)外相は19日、同国を訪問中のリビア反体制派指導者、ムスタファ・アブドルジャリル(Mustafa Abdel Jalil)氏と会談し、反体制派の支援などについて話し合った。

 会談後フラティニ外相は、5月初めにローマ(Rome)で開催される国際会合で、リビア東部の原油の輸出を可能にする法的手段について話し合うと述べた。会合では、世界各地で凍結されたムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)政権の資産を反体制派支援のために活用する方策や、リビア反体制派への武器供与などについても話し合う。

 また、フラティニ外相は、反体制派に「暗視装置やレーダー、通信遮断技術」などを提供する可能性を検討していることを明らかにした一方、「われわれにはあまり多くの選択肢がない。1つの案は地上軍を派遣することだが、イタリアとしては地上軍派遣には消極的だ」と述べた。

 さらに同外相は、衝突で負傷したリビア人100人程度の治療を行うと述べ、反体制派を支援するために医療スタッフを増員する計画だと語った。

■「衝突で1万人死亡」とアブドルジャリル氏

 フラティニ外相は、アブドルジャリル氏の話として、リビアでは衝突でこれまでに1万人が死亡し、負傷者は最大で5万5000人に上ると述べた。

 アブドルジャリル氏はリビアの前司法書記(法相)だが、カダフィ体制の不正に批判的だった。18日にカタールを訪問した後イタリアを訪れており、20日にはパリ(Paris)でニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領と会談する。

 イタリアは現在、リビアにとって最大の貿易相手国になっている。両国は2008年に友好協力協定を結び、両国間で数十億ユーロ規模の相互投資に道を開いたが、現在はその大半が停止されている。また、イタリアのエネルギー大手ENIはリビアで原油を生産しており、その規模は外国企業としては最も大きい。(c)AFP/Dario Thuburn