【4月18日 AFP】アフガニスタンの首都カブール(Kabul)で18日、国防省ビルに同国軍の軍服を着た数人の男が侵入して銃を乱射し、兵士2人が死亡、7人が負傷した。

 アフガニスタン軍のモハマド・ザヒル・アジミ(Mohammad Zahir Azimi)報道官はAFPの取材に、「アフガニスタン軍の軍服を着た男1人が他の兵士に発砲した。兵士2人が死亡し、7人が負傷した」と語った。

 発砲した男は銃で自殺した。この男の遺体を調べたところ、ベストから自爆用の爆弾が出てきたという。欧米情報筋によると、この男が死亡した場所はアフガニスタンのアブドゥル・ラヒム・ワルダク(Abdul Rahim Wardak)国防相の執務室の近くだったとみられているが、ワルダク国防相にけがはなかった。

 別の軍関係者が匿名を条件に語ったところによると、国防省施設内に計3人の戦闘員が侵入し、3人とも死亡したという。

■仏国防相が標的?

 一方、タリバンのザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官はAFPに、アフガニスタンを訪問中のジェラール・ロンゲ(Gerard Longuet)仏国防相を狙った攻撃だったと語った。

 これによると、攻撃理由はフランス軍によるアフガニスタン進攻で、フランスでイスラムの女性が顔をすべて覆うベールを禁止する法律が施行されたこととは無関係だという。

 しかしフランス軍筋は、ロンゲ国防相は事件当時、現場の施設から約40キロ離れたバグラム(Bagram)空軍基地にいたと指摘し、今回の攻撃がロンゲ氏を狙ったものである証拠はないと強調した。タリバンは、自分たちが実施した攻撃について誇張した主張をすることが多い。

 厳重に警備されている国防省の施設で起きた今回の事件は、2008年のハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領暗殺未遂以来の重大事件と受け止められている。(c)AFP/Sardar Ahmad