【4月18日 AFP】最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の政府軍と反体制派の戦闘が続くリビアで17日、東部アジュダビヤ(Ajdabiya)の西側に展開する反体制部隊に政府軍が砲撃を行い、市民や戦闘員ら数百人が避難を余儀なくされた。一方、政府軍による包囲が続く西部ミスラタ(Misrata)では、市民の救助に向けた動きが加速している。

■迫るカダフィ軍、市民からNATO批判も

 アジュダビヤは16日にも政府軍のロケット砲による攻撃を受け、病院スタッフによると、少なくとも8人が死亡、27人が負傷した。

 反体制派を支持する住民の話によると、政府軍はアジュダビヤへ迫っているもようだ。銃撃の音も近づいており、多くの住民が逃げ出しているという。別の住民は、北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆による支援を訴えた。「カダフィ軍はアジュダビヤ西部郊外にいる。NATOは何をしている。彼らはどこにいるんだ?」

 こうした中、英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相は改めて、英国軍の地上部隊を派遣しない方針を強調。リビアに対する空爆の根拠となっている国連安保理決議(UNSCR)1973に基づいて行動することを改めて強調した。同決議では、リビア市民を守るために必要なあらゆる措置を取ることを認めているが、地上軍の派遣は認めていない。

■包囲続くミスラタ、市内で銃撃・火の手も

 政府軍の包囲が続く西部の反体制派拠点、港湾都市ミスラタでは、医薬品や食料などの人道支援物資500トン、救急車4台、医師3人を乗せた国際移住機関(International Organization for MigrationIOM)のチャーターフェリーが、避難民の救助のため港に到着した。

 IOMによると、ミスラタ周辺にはリビア脱出を希望する外国人1万人ほどが集まっているが、避難所や飲料水、食料、医療は不足している。

 市内の病院関係者によると、病院周辺でも銃撃が響いているほか、17日夜には市内から火の手が上がったという。(c)AFP/Guillaume Lavallee