【4月15日 AFP】国連(UN)は14日、イラクのディヤラ(Diyala)州にあるイラン人難民キャンプ「キャンプ・アシュラフ(Camp Ashraf)」が前週、イラク軍に銃撃され、女性を含む34人が死亡したと発表した。また、数十人が負傷しているという。

 しかしイラク政府は、イラク軍はキャンプ・アシュラフの攻撃とは無関係だと反論。「現在、事件を捜査中だが、治安当局によると犠牲者たちはキャンプから逃げようとして、仲間の警備員に撃たれたものだ」と主張している。これまでにもキャンプの住民が逃亡しようとした事件は何回も起きているという。

 このキャンプには、イランの反体制派組織「ムジャヒディン・ハルク(イスラム人民戦士機構、MKO)」のメンバーが暮らしている。

 MKOはイランで1965年、当時のパーレビ国王に対抗するイスラム系左派組織として結成され、1979年のイラン革命で大きな役割を果たしたが、その後反体制派に転じた。イラン・イラク戦争ではイラクのサダム・フセイン(Saddam Hussein)大統領(当時)側につき、イラク国内のキャンプ・アシュラフを拠点に対イラン闘争を続けた。だが、2003年の米軍によるイラク侵攻で武装解除させられている。(c)AFP