【4月15日 AFP】パレスチナ自治区・ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は15日、同地区でイスラム過激派に拉致されていた人道支援団体のイタリア人活動家が、ガザ市内で遺体で発見されたと発表した。これに先立って拉致グループは、この活動家の男性を処刑すると警告していた。

 殺害されたのは、パレスチナ支援団体「国際連帯運動(International Solidarity MovementISM)」の活動家で報道や著述活動にも携わっていたビットリオ・アリゴーニ(Vittorio Arrigoni)さんで、初期イスラム教の慣習への回帰を求めるスンニ派原理主義の一派「サラフィスト(Salafist)」を名乗るグループに拉致されていた。

 拉致グループは画像投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」で犯行声明ビデオを公開し、ハマスの治安部隊がガザで拘束しているメンバーの釈放を要求。15日午後5時(日本時間午後11時)までに要求が聞き入れられなければ、アリゴーニさんを処刑すると予告していた。

 ハマス報道官によると、アリゴーニさんの遺体はガザ市内の路上で発見された。治安当局は容疑者2人を逮捕し、共犯者らの行方を追っているという。ガザ地区には主要なサラフィスト組織が5つあり、宗教的な信仰の違いと停戦に反対する立場からハマスと対立しているが、今回犯行声明を出したグループはこれまで知られていなかった。(c)AFP/Mai Yaghi