【4月12日 AFP】イタリアの南部ランペドゥーサ島(Lampedusa)で11日、ボートで漂着したチュニジアからの不法移民が、両国政府が前週合意した即時本国送還に抗議し、暴徒化した。

 ランペドゥーサ島の施設に収容されている数百人の移民の一部が「自由、自由!」などと叫んだ。移民たちがつけた火で小さなぼやも起きたが、消防隊がすぐに消火した。また施設から移民数十人が逃走した。
 
 面積20平方キロのランペドゥーサ島はイタリア領だが、地理的にはイタリア本土よりも北アフリカに近い。今年に入り2万5000人以上の不法移民が漁船に乗って漂着している。これまでその大半はイタリア本土の収容所に送られている。

 抗議行動にもかかわらず11日には数十人の不法移民が旅客機2機でチュニジアに送還されたが、移民たちの抗議によって、2機目の出発に遅れが出た。

 両政府は7日、4月5日よりも前に漂着していた不法移民についてはイタリア側が半年間の居住許可を与える代わりに、それ以降に到着する移民は全員、チュニジアに送還するという方針で合意していた。(c)AFP