【3月30日 AFP】リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐派と反体制派との戦闘は30日、カダフィ派が重火器や戦車で攻撃し、反体制派は製油都市ラスラヌフ(Ras Lanuf)からの撤退に追い込まれた。

 反体制派の多数の戦闘員は、ラスラヌフの東方20キロのウカイラ(Uqayla)付近の前線から撤退を始めており、反体制派の拠点であるベンガジ(Benghazi)の南方240キロにあるブレガ(Brega)に向かう道路には乗用車やピックアップトラックの列できた。

 反体制派のある戦闘員はカダフィ派のロケット砲や戦車による攻撃で重大な危機に直面していると語り、別の戦闘員は「(カダフィ派に対する)フランスの空爆が必要だ」と語った。

 国連安保理決議を受けて英仏米などがカダフィ派への空爆を開始した19日以降、反体制派は順調に進軍し、29日にはカダフィ大佐の出身地シルト(Sirte)まで100キロの地点まで迫った。しかしカダフィ派が反撃に転じたことからラスラヌフにまで撤退。カダフィ派は夜明け後も東への進軍を続けてラスラヌフにも攻勢をかけたため、反体制派はさらなる後退を余儀なくされた。

 一方、29日(日本時間30日未明)に英ロンドン(London)で開かれたリビア情勢を協議する外相級会合で、フランスは反体制派への武器提供も排除しない姿勢を示した。リビアの民間人保護の立場から軍事介入を決めたバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領も、これに同調する姿勢をみせた。(c)AFP