【3月28日 AFP】最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐を支持する勢力と反体制勢力との戦闘が続くリビアで、多国籍軍による空からの後押しをうけた反体制勢力が、再び勢いを取り戻し、巻き返しをみせている。

 一時はリビア第2の都市ベンガジ(Benghazi)陥落の危機に陥った反体制派だが、多国籍軍による空からの支援を得て、26日には、それぞれベンガジ西方160キロと240キロにあるアジュダビヤ(Ajdabiya)およびブレガ(Brega)を奪還。一般市民が主体の素人軍ながらも、さらには産油都市ラスラヌフ(Ras Lanuf)、ノフィリア(Nofilia)をも掌握した。

 首都トリポリ(Tripoli)に向けて西方に進軍を続ける反体制勢力は、
カダフィ大佐の出身地シルト(Sirte)まで100キロの位置まで迫っており、次の主要戦闘地はシルトとなるとみられる。

 多国籍軍はカダフィ軍が掌握するトリポリにも空爆を実施しており、リビアの国営テレビは、これを「植民地政策的な侵略」と非難した。 

 また、カダフィ政権のムーサ・イブラヒム(Mussa Ibrahim)報道官は、アジュダビヤとシルトの間の地域も多国籍軍の空爆で兵士と民間人双方に死者が出ていると述べた。さらに、同日夜も激しい空爆が続いていることから、民間人も含めて多数の犠牲が出ていると訴え、改めて停戦を呼びかけ、国連安全保障理事会を招集して、民間人が犠牲となっている多国籍軍の空爆停止を協議するよう求めた。

■NATOが全指揮権掌握

 一方、カダフィ軍の空爆から民間人を保護することを目的として、これまで米英仏軍が主となってきた多国籍軍の全指揮権が同日、北大西洋条約機構(NATO)に引き継がれた。(c)AFP/Imed Lamloum

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