【3月23日 AFP】国連安保理決議に基づき飛行禁止空域が設定されたリビアでは、22日も最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の政府軍と反体制派勢力の間で激しい戦闘が行われた。カダフィ大佐が事態の打開策を探っているとの報道もある。

 米政府高官が、政府軍が民間人への攻撃をやめないことへの憂慮を示すなか、カダフィ大佐側の攻撃を停止させるための最善策などについて、模索が続いている。 

 ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官はABCニュースのインタビューに対し、カダフィ大佐の側近が世界中の同盟国の政府関係者と接触し、打開策について相談しているとの情報があることを明らかにした。

 アラン・ジュペ(Alain Juppe)仏外相はこれより前、多国籍軍が軍事行動を継続するかはカダフィ大佐の出方次第だと述べた。「軍事行動はいつでも停止することができる。条件は、カダフィ政権が国連安保理決議を順守し、停戦に応じることだ」

 現地のAFP記者によると、首都トリポリ(Tripoli)上空では22日夜も、多国籍軍の攻撃に政府軍が対空砲火で応じる光景が見られた。爆発音も何回か聞こえたという。

 リビアの国営テレビによると、カダフィ大佐は多国籍軍が20日に爆弾を投下したトリポリのバーブ・アジジヤ(Bab al-Aziziyah)地区に姿を現し、集まった支持者に向かって「リビアは戦闘の用意ができている。われわれは勝つ。民衆が空爆に対する最強の防御になる」と演説。民間人を「人間の盾」にする考えを示唆した。(c)AFP/Imed Lamloum