【3月3日 AFP】リビア政府軍は2日、反体制派が掌握した東部の港湾都市ブレガ(Brega)に過去最大規模の攻勢をかけ、一時制圧したが、激しい戦闘の末に反体制派が政府軍を撃退した。

 ブレガは石油の輸出拠点で、反体制派が制圧した東部地域の西端にあたる。最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の政府軍は戦車や重兵器を投入し、同日明け方に攻撃を開始。すぐに空港や原油ターミナル、大学などを掌握した。

 その後、戦闘は両勢力が拮抗(きっこう)する状態が続いたが、夕刻までには広範囲で反体制勢力が優勢となった。反体制側の戦闘員らによると、最終的には反体制派が政府軍をブレガ西方30キロの地点まで押し戻し、撃退に成功したという。この日の戦闘で反体制派の少なくとも10人が死亡した。

 ただ、現地のAFP記者が目撃したところによると、反体制派の戦闘員らが大学近くの広場に集まり、空に向けて銃を撃つなどして勝利を祝っていたところに、政府軍の戦闘機が上空からミサイル2発を撃ちこんだ。負傷者はなかったが、人びとから15~20メートル離れた路面が2箇所、大きく陥没した。反体制勢力も戦闘機に向けて銃を乱射したが、戦闘機は低空飛行で飛び去った。

 一方、目撃者の話によると、ブレガから40キロ離れたアジュダビヤ(Ajdabiya)でも政府軍による空爆があった。武器廃棄所を狙ったものとみられるが、実際に爆撃されたのは同市近郊の元陸軍基地だったという。負傷者は出ていないという。(c)AFP/Samer al-Atrush