【2月25日 AFP】リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐は24日、国営テレビで今週2度目の演説を行い、同国を揺るがしている反体制デモは国民による反乱ではなく、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の影響を受けた、攻撃的で薬づけの若者らの仕業だと語った。

 22日の75分におよぶ演説とは対照的に、今回は電話によるわずか20分の短い演説で、大佐の居場所も明らかにされなかった。これにより大佐の所在についての疑問が持ち上がり、権力基盤が揺るぎつつあることを浮き彫りにした。

 15日に東部ベンガジ(Benghazi)で始まった反体制デモでは、カダフィ政権の容赦ない弾圧により、複数の人権団体によるとこれまでに数百人が死亡した。一部の政治家は死者は1000人に上る可能性もあるとしている。

 米国のバラク・オバマ(Barack Obama)、フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)両大統領は、カダフィ大佐が国民に「残酷で流血を伴う弾圧を続けている」と非難し、民間人に対する武力行使を即時停止するよう再度要求した。

 リビアを脱出したエジプト人らは、カダフィ大佐の息子がデモの背後にはエジプト人がいると非難したことを受け、殴打や拷問などを受けたと話している。

 政府と反体制派の衝突が続くなか、住民や報道によると、東部地域は反体制派が制圧し、他の地域は無法状態に陥っているという。(c)AFP/Samer al-Atrush