【2月18日 AFP】チュニジアやエジプトの政変に触発された中東バーレーンの反政府デモで、当局の強制排除で死傷者が出るなか、民衆蜂起の波及を食い止めたい近隣の湾岸諸国が軍事介入する事態にも発展しかねないと、アナリストらが懸念している。

 バーレーンを含む6か国からなる湾岸協力会議(Gulf Cooperation CouncilGCC)は17日、バーレーンの首都マナマ(Manama)で緊急外相会合を開き、同国を「政治、経済、安全保障、防衛の各面で支援で支援する」ことを確認した。

 各国が警戒するのは、バーレーンでのイスラム教シーア派によるスンニ派政府への抗議行動が湾岸諸国に広がれば、それはシーア派国家のイランにとって大きな戦略的勝利となるからだ。

「湾岸諸国は、バーレーンが根本的・急進的な改革を容認できない。立憲君主制への民主化要求は、しかるべきプロセスを経た(自然な)政治的発展を抜きには実行されるべきではない」と、サウジアラビアの政治アナリストDakheel al-Dakheel氏は指摘する。

「バーレーンで政治や治安の混乱が起きれば、イランや他国に介入の余地を与える。そのような事態は湾岸諸国、特にサウジアラビアにとって認められるものではない」

■強制排除で死者5人に、「政府打倒」に要求変わる

 バーレーンは、国王や政府など指導者層はスンニ派だが、国民の大多数はシーア派。14日から始まったシーア派による反政府デモでは、治安部隊の強制排除によってこれまでに5人が死亡した。

 当初、体制の改革と「真の立憲君主制」の実現を要求していたデモ隊は、強制排除後に要求内容を引き上げ、「体制の転覆」を呼びかけている。(c)AFP/Wissam Keyrouz

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