【2月8日 AFP】前月24日、モスクワ(Moscow)郊外にあるドモジェドボ国際空港(Domodedovo International Airport)で36人が死亡した自爆攻撃について、ロシア南部北カフカス地方チェチェン共和国の独立派武装勢力の指導者ドク・ウマロフ(Doku Umarov)司令官が犯行声明を出した。

 7日夜に独立派系ウェブサイト「カフカス・センター(Kavkaz Center)」に投稿されたビデオ声明でウマロフ司令官は「作戦はわたしの命令の下に実行された」もので、チェチェンにおけるロシアの「犯罪」に対する報復だと述べた。また外国人を殺害することが目的で、国際線の到着ロビーを攻撃したのは意図的だったことも明かした。

 ウマロフ司令官はカフカス地方の様々なグループを団結させ、イスラム国家の建設を目指す勢力、「カフカス首長国(Caucasus Emirate)」 の指導者だと自称している。

 北カフカス地方の武装勢力に対する弾圧をロシア当局は「特殊作戦」と呼んでいるが、人権団体などは「非常に残虐で、容疑者だけでなく民間人も攻撃している」として長年、当局を批判している。

■「ことしを血と涙の年に」

 前週4日にもウマロフ司令官はウェブサイトにビデオを公開し、今年はロシアを騒乱状態に陥れると宣言していた。このビデオで、ロシア当局がカフカス地方から撤退するようロシア人は自分たちの指導者に圧力をかけるべきだと警告し、「神の思し召しによって我々はことしをおまえたちにとって血と涙の年にする。冷静によく考えたほうがいい」と威嚇した。そして、ロシア当局が撤退しなければ攻撃も止まらないと述べた。

 一方、ロシア政府はカフカス地方の独立を認めることや、「テロリスト」との交渉はあり得ないとの立場を繰り返し示している。

 ロシアのある治安当局者はインタファクス(Interfax)通信に対し、ドモジェドボ国際空港で自爆したのは、北カフカス地方でチェチェンと隣接し、同じく政情不安定なイングーシ共和国出身の男、バスの運転手と学校の教師を両親にもつマゴメド・エブロイエフ(Magomed Yevloyev)容疑者(20)で、事件当時薬物を使用していたとみていると語った。(c)AFP

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