【1月25日 AFP】ロシアの首都モスクワ(Moscow)南郊にあるドモジェドボ国際空港(Domodedovo International Airport)で24日起きた自爆攻撃について、露日刊紙コメルサント(Kommersant)は25日、北カフカス地方の武装勢力がモスクワ攻撃のために送った一団による犯行であった可能性が高いと報じた。

 コメルサント紙によると、ロシア当局は、前年12月31日夜にモスクワのスポーツクラブの小規模施設が爆破された事件を受けて、新たな攻撃が起きる危険性を察知していたという。

■元日の自爆攻撃も準備か

 コメルサント紙は独自の情報源の話として「武装勢力指導者が、新年の夜の攻撃のために女たちを送り出した。しかし、そのうちの1人が誤って事前に爆発物を爆発させてしまった」と伝えた。爆発で死亡したこの女は、服役中の北カフカス武装勢力メンバーの妻だったという。

「この(死亡した)女が、他のメンバーとともにモスクワ入りしていた可能性も排除されていなかった」。そして「きのうになって2人目の女が自爆攻撃をした」(コメルサント紙)

 インタファクス(Interfax)通信も同様の内容を報じた。また、12月31日の爆発事件で死亡した女と行動をともにしていた女を、ロシア当局が逃走先のボルゴグラード(Volgograd)市で拘束していたと付け加えた。さらに、ロシア当局は、チェチェン共和国出身の3人が新たな自爆攻撃を準備していることを察知し、3人を追っていたという。

■実行犯は「ブラック・ウィドー」か、共犯とみられる3人は姿くらます

 このチェチェン出身の3人は、24日に女を連れてドモジェドボ空港に行ったが、女の自爆後に行方をくらました。国営・ロシア通信(RIA Novosti)によると、治安当局筋も25日、ドモジェドボ空港の自爆攻撃の実行犯は女だったとみられると語った。

 一連の報道は、北カフカスの武装勢力メンバーの夫を亡くした「ブラック・ウィドー(黒の未亡人)」と呼ばれる女たちが自爆攻撃に志願して起こした一連の攻撃を思い出させる。

 ロシアは北カフカス地方でイスラム反政府勢力と長年戦っており、モスクワでは過去数年にわたって同地方の武装勢力による攻撃が起きている。2010年3月29日には、モスクワの地下鉄で女2人が起こした自爆攻撃で、40人が死亡し、100人以上が負傷した。(c)AFP

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