【1月24日 AFP】前年5月にパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)に向かっていたトルコ船籍の支援船をイスラエル軍が急襲し、トルコ人9人を射殺した事件をめぐり、イスラエルの独自調査委員会は23日、兵士らの対応は国際法の範囲内だったと結論付ける報告書を発表した。トルコ政府はただちに「驚きと遺憾の意」を表した。

 調査委は、イスラエル軍によるガザ地区の封鎖および支援船「Mavi Marmara」号襲撃はともに「国際法に則っていた」と結論。イスラエル兵の武器使用について、兵士らが乗船した際、乗り組んでいたトルコのイスラム系人道支援団体IHHのメンバーが「火器で攻撃してきた」ため、応戦はやむをえなかったと説明した。

 IHH側はイスラエル兵に対して武器で攻撃した事実はないと繰り返し否定している。
 
 トルコのアナトリア(Anatolia)通信によると、イスラエル調査委の報告を受けたレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相は、「事件の当事国が命じ、当事国によってまとめられた報告書に、どれだけの価値があるのか。この報告書に信頼性などない」と怒りをあらわにした。

 同日、一部が公表されたトルコ側による独自調査では、「支援船に対するイスラエル軍の攻撃は限度を超えている」と結論付け、イスラエルに対し遺族に賠償金を支払うよう求めている。(c)AFP/Sara Hussein

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