【1月14日 AFP】チュニジアで政府に抗議するデモ隊と治安部隊との衝突が拡大し、死傷者が出る中、ジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)大統領(74)は13日テレビ演説し、2014年の次期大統領選には出馬しないと表明した。

 チュニジアでは、前月に始まった失業の増加や食料価格の高騰などに抗議するデモが各地に拡大して暴動化し、デモ隊と治安部隊との衝突で死傷者が出る事態に発展している。人権団体などによると、これまでに少なくとも66人が死亡したという。

 ベンアリ大統領は、抗議デモへの対応を誤ったことを認め、治安部隊に実弾の使用を止めるよう求めた。

 23年にわたって強権体制を続けてきたベンアリ大統領だが、今後は民主的改革を進めていくと約束。また、所属政党からの2014年大統領選への出馬要請に対しても「一生、大統領でいることにはノーと言う。憲法に定められた出馬資格の年齢制限の変更もしない」と述べ、出馬資格を75歳以下と定めた憲法の改正を行わないと言明した。

 暴動は11日、首都チュニス(Tunis)周辺にも拡大。政府は戒厳令を敷き、市内に軍を展開したが、13日夜に近郊でデモ隊と治安部隊が衝突し、仏人権団体によると8人が死亡した。市民からの情報によると若者が車両に放火したり、政府庁舎を襲撃するなど暴徒化し、治安部隊は催涙弾のほか実弾で応戦したという。(c)AFP/ Mohamed Hasni

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