ケン・ローチ監督、アイルランド近代史描く映画たずさえパレスチナへ
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【1月13日 AFP】英国の映画監督ケン・ローチ(Ken Loach)氏(74)が今週、アイルランド近代史を描いた作品と「分裂は破局をもたらす」というメッセージを携え、パレスチナ自治区を初訪問した。
社会運動家としても長年活動してきたローチ監督は、2006年のカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で最高賞パルム・ドール(Palm d’Or)を受賞した自らの作品『麦の穂をゆらす風(The Wind That Shakes The Barley)』の上映会に出席するため、11日にヨルダン川西岸(West Bank)入りした。
ラマラ(Ramallah)にあるラマラ文化パレス(Ramallah Cultural Palace)で開かれた上映会には、数百人が集まった。ローチ監督は柔らかい語り口で「みなさんにきっと関心を持っていただけると思ってきました」と述べた。
『麦の穂をゆらす風』は1920年代、英国からの独立を目指して戦ったアイルランドの独立戦争と、それに続くアイルランド内戦を背景に、英国支配に対する抵抗運動に身を投じるアイルランド人兄弟を描いている。兄弟はやがて、1921年の英愛条約(休戦協定)をめぐる見解の相違から対立してしまう。公開時、英国内では激しい批判にさらされた。
この映画がパレスチナの観衆に強く訴えかけた点は、アイルランドの戦いが、英国による支配に対する闘争と、後に共和主義運動の分裂につながる内戦という、まさに二重構造になっている点だった。
流血の果てに悲劇的な結末へとたどり着くと、観客の1人からは「まさにハマス(Hamas)とファタハ(Fatah)だ」と言葉がもれた。アイルランドの共和派の分裂と、パレスチナの内部抗争があまりにも酷似していることに驚いた様子だった。
「アイルランドの経験の教訓は、分裂は破局をもたらすということです」――。上映後、喝采に迎えられ舞台に上がったローチ監督は、パレスチナの人びとへメッセージを贈った。(c)AFP/Hazel Ward
社会運動家としても長年活動してきたローチ監督は、2006年のカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で最高賞パルム・ドール(Palm d’Or)を受賞した自らの作品『麦の穂をゆらす風(The Wind That Shakes The Barley)』の上映会に出席するため、11日にヨルダン川西岸(West Bank)入りした。
ラマラ(Ramallah)にあるラマラ文化パレス(Ramallah Cultural Palace)で開かれた上映会には、数百人が集まった。ローチ監督は柔らかい語り口で「みなさんにきっと関心を持っていただけると思ってきました」と述べた。
『麦の穂をゆらす風』は1920年代、英国からの独立を目指して戦ったアイルランドの独立戦争と、それに続くアイルランド内戦を背景に、英国支配に対する抵抗運動に身を投じるアイルランド人兄弟を描いている。兄弟はやがて、1921年の英愛条約(休戦協定)をめぐる見解の相違から対立してしまう。公開時、英国内では激しい批判にさらされた。
この映画がパレスチナの観衆に強く訴えかけた点は、アイルランドの戦いが、英国による支配に対する闘争と、後に共和主義運動の分裂につながる内戦という、まさに二重構造になっている点だった。
流血の果てに悲劇的な結末へとたどり着くと、観客の1人からは「まさにハマス(Hamas)とファタハ(Fatah)だ」と言葉がもれた。アイルランドの共和派の分裂と、パレスチナの内部抗争があまりにも酷似していることに驚いた様子だった。
「アイルランドの経験の教訓は、分裂は破局をもたらすということです」――。上映後、喝采に迎えられ舞台に上がったローチ監督は、パレスチナの人びとへメッセージを贈った。(c)AFP/Hazel Ward