【12月15日 AFP】13日に急死した米国のリチャード・ホルブルック(Richard Holbrooke)アフガニスタン・パキスタン担当特別代表が、死の直前に医師団とユーモアのあるやりとりを交わし、その中でアフガニスタンの戦争を早く終わらせてほしいと語っていたことが14日明らかになった。

 フィリップ・クローリー(Philip Crowley)米国務次官補は同日の記者会見で、心臓の大動脈解離で倒れ、緊急手術を受けたホルブルック氏が、直前の医師団との会話で、不屈の精神を垣間見させたと語った。

 クローリー次官補は、一字一句が記録されているわけではないと述べたうえで、「医師団がリラックスするよう話しかけると、リチャードは『リラックスなんてできない。アフガニスタンとパキスタンのことが心配なんだ』と答えた」と語った。

「しばらく話したあと、医師が『とにかくリラックスしてください。難しい問題は手術中に解決しておきますから』と話しかけた。すると彼は『ああ、出来そうならやってもらおうか。戦争を終わらせるのも込みで頼む』と答えた。アフガニスタンの問題は、死の間際まで彼の意識の中心を占めていた」

 ワシントン・ポスト紙(Washington Post)は、ホルブルック氏が手術前、「アフガニスタンの戦争を終わらせなければならない」と話したと報じている。同氏が術後に意識を回復したかは不明だ。(c)AFP