【11月25日 AFP】北朝鮮は25日、韓国・延坪(Yeonpyeong)島への砲撃に関して米軍に通知文を送り、事件発生の責任の一端は米国にあると非難するとともに、韓国からさらに「挑発」があれば「2次、3次の強力な物理的報復打撃」も辞さないと威嚇した。

 北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は、北朝鮮人民軍板門店(Panmunjom)代表部が米軍側へ送った警告として、「戦争を挑発する南朝鮮(韓国)の傀儡(かいらい)政権が、正気を取り戻さずに再び無分別な軍事的挑発を行うなら、わが軍は躊躇(ちゅうちょ)なく2次、3次の強力な物理的報復打撃を加えるだろう」との声明を発表した。

 また、1950~53年の朝鮮戦争の休戦後に「違法」な海上境界線(NLLのこと)を引くことに関わった米国にも責任があると主張。「西韓国海(黄海)が、南北の対決・衝突リスクがいつまでも残る火だねとなってしまったのは、ひとえに米国が一方的にNLLを画定したからだ。米国は今回の砲撃戦の責任を逃れることはできない」と非難した。

 北朝鮮軍が23日、北方限界線(NLL)に近い韓国の延坪島を砲撃した事件では、韓国側に4人の死者が出た。北朝鮮側は、付近で軍事演習を行っていた韓国軍が北朝鮮の領海内に砲撃したためだと非難しているが、韓国側はこの主張を否定している。北朝鮮は、南北の海上境界線をNLLより南寄りに再設定するよう主張している。(c)AFP