【11月1日 AFP】(一部更新、写真追加)イラクの首都バグダッド(Baghdad)で10月31日夕方、武装集団がキリスト教会を襲い信者らを人質に立てこもったため、駐留米軍とイラク軍が合同救出作戦を実行したが、神父と信徒46人、治安部隊7人が死亡した。武装集団側は5人が死亡し、8人が逮捕された。

 事件があったのは、市内中心部カラダ(Karrada)地区にあるキリスト教会で、武装集団は近くにあるバグダッド証券取引所の警備員2人を射殺した後、教会を襲い礼拝に参列していた信者を人質にとって教会内に立てこもった。このため駐留米軍とイラク軍が合同で救出作戦を展開し人質を解放した。

 人質になっていた男性の証言によると、武装集団は教会を急襲した直後に神父1人を撃ち殺した。当時、教会には100人以上の人がいたという。

 米民間情報機関サイト・インテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)は1日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系組織「イラクのイスラム国家(Islamic State of IraqISI)」が犯行声明を出したと発表した。

 イラクで少数派のキリスト教徒は米国がイラク攻撃を開始した2003年以降、武装集団などによる拉致や殺害などの対象となってきた。このためキリスト教徒の多くが国外に逃れ、キリスト教指導者らによると2003年には80万人だったキリスト教徒人口は55万人にまで落ち込んでいる。(c)AFP/Khalil Murshadi