【10月7日 AFP】(一部更新、写真追加)パキスタンで6日、北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganisationNATO)軍の車両が相次いで武装グループの襲撃を受け、計40台以上が破壊された。

 警察当局によると北西部ノウシェラ(Nowshera)では、停車していたNATO軍の燃料輸送車の車列が銃撃を受け、少なくとも26台が放火された。

 これに先だって南西部クエッタ(Quetta)近郊でも、NATO軍の燃料輸送車40台が停車していた補給所が武装グループの襲撃を受け、少なくとも18台が炎上、作業員1人が死亡した。

 パキスタンでNATOの燃料輸送車が襲われたのはこの1週間で4度目。一連の襲撃で約60台の燃料輸送車が炎上し、3人が死亡した。

 アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は、一連の襲撃は米国がパキスタン北西部で強化している無人機による攻撃への報復だとする犯行声明を出した。さらに駐アフガンNATO軍の物資輸送に使われているパキスタン領内を通る補給ルートを攻撃すると警告している。

 米国は、アフガニスタンとの国境に近いパキスタンの北西部族地域が、アフガニスタンで活動する国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の拠点になっているとして、同地域に対する無人機による攻撃を大幅に強化している。また、パキスタン国内のアルカイダが英国、フランス、ドイツの複数の目標を狙ったとみられる攻撃計画を立案したが、情報筋や報道によると、複数の情報機関が初期の段階でこの計画を察知したとされている。

 パキスタン当局は、米軍無人機による攻撃は9月3日からの1か月間で24回行われ、140人以上が殺害されたとしている。パキスタンのフセイン・ハッカニ(Hussein Haqqani)駐米大使は6日、英国放送協会(BBC)に対し、4日に実施された無人機による攻撃で、攻撃計画に関与したとみられるドイツ国籍の5人を含む戦闘員8人が殺害されたと述べるとともに、北ワジリスタン(North Waziristan)における米軍無人機による攻撃強化は、最近発覚した欧州の複数の目標を狙った攻撃計画を受けたものだと明らかにした。(c)AFP/Maaz Khan