【10月1日 AFP】パキスタン北西部クラム(Kurram)地区で9月30日、アフガニスタンに展開する北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganisationNATO)軍のヘリコプターの攻撃でパキスタン軍の国境警備兵3人が死亡した。パキスタン当局はこれに抗議して、NATO部隊向け補給物資の陸上輸送ルートを封鎖した。

 NATO軍の説明によると、ヘリコプターは自衛のため、29日未明にパキスタン領空に入り、地上から銃撃があったと確信した兵士らが「武装した複数名」に向かって攻撃を行ったという。

 パキスタン政府は現在、事件を調査しており、また米国防総省は、問題解決に向けて米当局高官がパキスタン側と会談を行っていることを明らかにした。

 米国はパキスタン北西部の部族地域に国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の拠点があり、アフガニスタン武装勢力の基地となっていると主張しており、同地域一帯に繰り返し無人機による攻撃を行っている。また、西側情報機関が前月突き止めたと発表したアルカイダによる英仏独3か国での同時テロ攻撃計画は、同地域の武装組織によるものとされる。

 こうしたなか、パキスタン南部シンド州(Sindh)のシカルプル(Shikarpur)地区では1日、駐アフガニスタンNATO軍への補給物資を運ぶトラックやタンカー数十台が、武装した20人ほどの集団に襲撃されて炎上する事件が発生した。(c)AFP