【9月29日 AFP】(一部更新)パキスタンを拠点とする武装組織が英仏独の3か国で同時テロ攻撃を計画していたと、英国の衛星放送テレビ、スカイニューズ(Sky News)が28日、英諜報(ちょうほう)機関筋の話として報じた。この武装組織は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)と関連しているとみられる。

 スカイニューズによると、計画は2008年にインドのムンバイ(Mumbai)で武装組織が複数のグループに分かれて市内の数か所を急襲した事件を模したもの。この武装組織は、アルカイダやアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)と何らかの関連があるとみられ、ロンドン(London)や仏独の主要都市を攻撃対象としていた。だが、実行段階には至っていなかったという。

 計画の発覚は、英仏独および米諜報機関の情報共有によるもの。ヨーロッパを対象とした襲撃計画が進められていることを察知した各国機関は米軍の協力を得て、計画がパキスタン国内を拠点とする武装組織によるものだと突き止め、この武装組織の動向を追跡監視していた。

 さらに、米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)も28日、欧州を狙った襲撃を計画している武装組織掃討のため、米中央情報局(CIA)がアフガニスタンと国境を接するパキスタンの部族地域で無人機による攻撃を強化していると報じた。

 パキスタンの治安当局によると、9月に入ってから部族地域一帯では20件の無人機攻撃があり、27日には武装勢力の戦闘員4人が死亡したという。また、ジャネット・ナポリターノ(Janet Napolitano)米国土安全保障長官も前週、欧州を狙ったテロ攻撃の動きが活発化しているとの認識を示し、同問題について欧州各国と協議する考えだと話した。

 一方、スカイニューズが襲撃計画を報道した28日、フランスではパリ(Paris)の名所、エッフェル塔(Eiffel Tower)に爆弾を仕掛けたとの電話があり、観光客らが避難する騒ぎとなった。エッフェル塔で爆破予告があったのは、今月に入って2回目だ。さらに、前日にもパリ市内の地下鉄サン・ラザール(Saint-Lazare)駅で爆弾の設置を知らせる警報が鳴り、乗客らが一時、退避する騒ぎがあったが、これは警報の誤作動だったことが判明している。(c)AFP