【9月14日 AFP】イスラム教徒が多数を占めるインド北部ジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州各地で13日、米国でイスラム教の聖典コーランが引きちぎられたとの報道をきっかけにイスラム教徒の住民が暴徒化し、治安部隊と衝突した。地元警察によると、これにより民間人13人と警官1人が死亡、デモ隊45人と警官130人が負傷したほか、52人が逮捕された。

 スリナガル(Srinagar)から40キロ離れたタンマルグ(Tangmarg)村では、イスラム教徒のデモ隊が反米スローガンを叫び、キリスト教系学校に放火した。地元警察によると、この放火によるけが人はいなかったが、デモ隊が政府庁舎に放火しようとした際に治安部隊が発砲し、少なくとも民間人5人が死亡した。

 地元当局は、11日にキリスト教徒の団体が米ホワイトハウスの前でコーランのページを引きちぎる映像を流し、同州のイスラム教徒らの怒りをあおったとして、イラン国営のプレスTV(Press TV)を非難した。地元政府は同国のケーブルチャンネルで放映されている同テレビ局の放送を禁止した。

 同州では、3か月前からインドからの分離独立を求めるデモ隊と治安部隊の衝突が激化しており、民間人の死者は計84人に達している。当局は外出禁止令を発令するなどして沈静化を図っていたが、今回、1日の死者数としては過去3か月で最多となった。(c)AFP/Izhar Wani