【9月11日 AFP】アフガニスタンで消息を絶ち、4日に5か月ぶりに解放されたフリージャーナリストの常岡浩介(Kosuke Tsuneoka)さん(41)は7日、都内の日本外国特派員協会(Foreign Correspondents' Club of JapanFCCJ)で会見し、拘束中、武装勢力兵士の目の間でツイッター(Twitter)に「i am still allive, but in jail.(まだ生きているが、拘束されている)」とのつぶやきを送信したことを明かした。

 常岡さんは4月にアフガニスタン北部で消息を絶ち、今月4日になってカブール(Kabul)の日本大使館に保護され、帰国した。

 常岡さんは会見で、アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領の政権に近い、武装勢力の「ヒズビ・イスラミ(Hizb-i-Islami、イスラム党)」に拘束されたと語った。

■兵士の目の前でツイッターに書き込み

 常岡さんによると、「ノキアのN-70という機種を持ってやってきて、それは彼らの中では最新の機種なんですが、使い方がわからないから教えてくれと言ってきた」という。常岡さんは、ネットに接続して、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)のウェブサイトを表示したという。

「彼らに、世の中にはツイッターというものがある、というと、どうやって使うんだ、というので、こうやって使うんだといって彼らの目の前でメッセージを打ちました」

「彼らはアルファベットで書いてあるものは全然理解できないので、英語で書いてもまったく問題ありませんでした」

 9月3日の常岡さんの投稿「i am still allive, but in jail.(まだ生きているが、拘束されている)」と、「here is archi in kunduz. in the jail of commander lativ.(クンドゥズのラティブ司令官に拘束されている)」はこのようにして書き込まれたものだった。

■単純な世界観に生きる兵士たち

 4日になって、常岡さんは解放を告げられたという。「彼らが、(解放されるから)シャンプーしろ、というので髪を洗ったんですが、全然信じられませんでした」

 常岡さんはイスラム教徒だが、「私がイスラム教徒だから解放されるとは言われたけれど、それが理由とは思えません。なぜなら、彼らは礼拝すらしないんです。私はこれまで、礼拝をしないムジャヒディーン(イスラム聖戦を行う者)は見たことがありません」と語った。

 解放の際には、まず付近の村に車で連れて行かれた。そこからカブールまでは大統領事務所の高官の車で移動したという。

 常岡さんは、兵士たちについて、「とても単純な世界観の中に暮らしています。イスラム教徒は善で異教徒は悪だ、異教徒は自分たちを攻撃してくる者たちだと信じている」と語った。

 彼らは「恐ろしく無教養」で「イスラム協議の解釈もとても遅れているんです」、と常岡さんは言う。「自分は結婚5か月で失敗して離婚したんだ、と話すと、相手は『お前はその妻を殺したか』と聞くんですよ。『いったいなんでだよ、殺すわけないだろう』。でも彼は『俺がお前だったら殺している』と」

 また、「彼らはそれぞれ携帯電話を持っているのですが、そこに入っている圧縮されたビデオは(同国の旧支配勢力の)タリバン(Taliban)に関するものばかり。さらに、タリバンを賞賛する歌を歌っているんです」と語った。(c)AFP/Kyoko Hasegawa