【8月18日 AFP】アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領は17日、「痛ましく悲劇的な事故」を起こしかねない武器の悪用を防止するため、同国で活動するすべての民間警備会社に解散を命じる大統領令を出した。解散の期限は2011年1月1日としている。

 アフガニスタン国内で活動する50以上の民間警備会社で雇用される武装要員は4万人以上で、そのうち約半数がアフガニスタン人。これらの民間警備会社は国際部隊や米国防総省、国連(UN)ミッション、非政府組織(NGO)、大使館、欧米の報道機関などに警備を提供している。

 カルザイ大統領は、民間警備会社について、アフガニスタンの治安部隊と任務が重なっており、軍や警察の訓練に必要な資源を横取りしているとして繰り返し不快感を表明していた。

 解散後、民間警備会社の要員は要件を満たせばアフガニスタンの警察に参加することができる。一方、未登録の民間警備会社は違法化され、武器や装備は押収されることになる。

■治安部隊への引き継ぎに懸念

 年内の解散命令という厳しい時間設定に国際社会の一部では戸惑いの声が上がったものの、民間警備会社の要員は多くの人びとから「民兵」とみられており、アフガニスタンからの民間警備会社の排除は幅広く支持されている。

 最大の懸念は、アフガニスタンの治安部隊の能力が低く、汚職も多いとされていることから、治安部隊が民間警備会社の業務を引き継ぐことができないと考えられていることだ。(c)AFP/Sardar Ahmad