【7月26日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」は25日、モーリタニア軍とフランス軍が前週、同組織に誘拐されたフランス人男性ミシェル・ジェルマノ(Michel Germaneau)氏(78)の救出作戦の最中に同組織のメンバー6人を殺害した報復として、ジェルマノ氏を殺害したとする音声声明を発表した。フランス当局は声明の真否を確認中だという。

 AQIMのアブ・ムサブ・アブドゥル・ワドゥド(Abu Musab Abdul Wadud)指導者はカタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)を通じ、「フランスの卑劣な急襲により同胞6人が殺害されたことへの報復として24日、フランス人の人質ミシェル・ジェルマノを処刑したことを報告する」との音声声明を発表。「(フランス大統領のニコラ・)サルコジ(Nicolas Sarkozy)は作戦で同国人の救出に失敗したが、フランスやフランス人にとっての地獄への扉を開けたことは間違いない」と警告した。

 サルコジ大統領はパリ(Paris)で、ジェルマノ氏の殺害を示す「確証」を得ていないとし、声明の真否を確認中だと述べた。大統領は26日に緊急閣議を招集した。

 ジェルマノ氏は4月、ニジェールで誘拐された。AQIMは5月、疲れ切ったジェルマノ氏の写真とともに、同氏がサルコジ大統領に救出を求める音声テープを発表。7月11日には15日以内に組織メンバーを釈放するように求め、応じない場合には人質を処刑するとしていた。

 モーリタニア軍とフランス軍は22日、マリの砂漠地帯にあるAQIMの拠点を急襲し、同組織のメンバー6人を殺害したが、同拠点でジェルマノ氏が拘束されていたことを示す証拠はつかめなかった。(c)AFP