【7月14日 AFP】アフガニスタン南部ヘルマンド(Helmand)州で13日、アフガニスタン兵が英軍部隊を銃撃し、英兵3人を殺害して逃走した。兵士はまだ捕まっていない。

 デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相は、今回の攻撃をアフガニスタン国軍(Afghan National ArmyANA)内の「不穏分子」によるものとしながらも、同軍との協力方針は変更しない意向を示した。

 英軍当局者は、死亡した3人はネパールから派遣されたグルカ(Gurkha)大隊の所属だと述べたが、国籍については言及を避けた。死亡した3人のほかにも数人が負傷した。

 国際治安支援部隊(International Security Assistance ForceISAF)のジェームズ・カースミス(James Carr-Smith)報道官は、「ISAFとアフガン軍の仲間を裏切ったアフガン兵が単独で起こした事件だと見ている」と語った。

 一方、英国防省は、同じくヘルマンド州でアフガニスタン人警察官が英軍兵士5人を射殺した前年11月の事件に続く「計画的犯行」の可能性があるとしている。

■アフガン英兵の死者 318人に

 アフガニスタンの旧支配勢力であるイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)は、アフガン兵1人がナフレ・サラジ(Nahr-e Saraj)地区にある基地で就寝中の部隊に銃撃を加え、8人を殺害したと発表した。

 さらに、このアフガン兵は「ムジャヒディン(イスラム聖戦士=タリバン)」に投降し、「安全な場所」に移動したとしている。もっとも、タリバンの発表は誇張が多いことで知られている。

 アフガン軍高官は、現在、事件原因の捜査を行っていると述べるとともに、関係者の責任を追求していくと語った。

 アフガニスタンでは13日、ヘルマンド州サンギン(Sangin)でもパトロール中の英海兵隊員1人が射殺されている。アフガニスタンとイラクにおける戦死者を集計する独立系ウェブサイト「icasualties.org」によると、アフガニスタンにおける国際治安支援部隊の死者数は、今年に入って359人、2001年以降のアフガン戦争での英兵の死者は318人となった。(c)AFP/Waheedullah Massoud