【6月7日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)へ向かっていた支援船団がイスラエル軍に急襲され9人が死亡した事件で、イスラエルのオレン(Michael Oren)駐米大使は6日、いかなる国際的な調査にも協力しない考えを示した。

 オレン大使は米FOXテレビ「Fox News Sunday」に出演し、「イスラエルは民主主義国だ。国際委員会による調査ではなく、自らで調査する権利と能力がある」「国際委員会という考えを拒否する」などと述べた。

 イスラエル外務省によると、同国のアビグドル・リーバーマン(Avigdor Lieberman)外相が7日にニューヨーク(New York)を訪問し、ガザ支援船をめぐる同国の立場を北米駐在の同国大使らに説明する予定という。

 イスラエル当局は6日、新たに拿捕した支援船「レイチェル・コリー(MV Rachel Corrie)」に乗っていた活動家ら19人のうち、7人を国外退去処分とした。残る12人も7日早朝に本国に強制送還される見込みだ。

■イランも支援船を派遣、革命防衛隊が警護か

 一方、イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師の側近は同日、同国の革命防衛隊(Revolutionary Guards)の船にガザ支援船を警護する準備があるとメヘル(Mehr)通信に語った。ハメネイ師の指示だという。

 また、国営イラン通信(IRNA)は7日、イラン赤新月社(Red Crescent)が今週中にガザへ向けて支援船2隻を送ることを決定し、援助活動にあたるボランティアを募っていると報じた。

■高まる注目と圧力、ガザ封鎖の解除に生かせるか

 支援船問題でイスラエル政府に対しガザ封鎖を解除するよう求める声が高まる中、国連(UN)では事件をイスラエルに対ガザ政策を見直させる好機と見ている。ジョン・ホームズ(John Holmes)国連人道問題調整官(事務次長)は豪シドニー(Sydney)でAFPに対し、「今回の出来事をイスラエルに方針変更を求めるための機会にしたい」と語った。(c)AFP