【6月2日 AFP】アフガニスタンの首都カブール(Kabul)で2日開幕した「平和会議(ピース・ジルガ)」で、ロケット弾を携行した同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)による自爆攻撃があった。

 9年間におよぶ武装勢力との戦いに終止符を打とうと、ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領が招集して国内各地の有力者など1600人と、欧米諸国の外交官らが集まり開会式が行われた巨大な屋外テントの近くで、ロケット弾によるものとみられる少なくとも5回の爆発や発砲があったが、攻撃は失敗に終わった。

 会議は治安要員1万2000人が警戒にあたっていた。カルザイ大統領は予定通りに演説を終えた後、普段から使っている装甲車で会場を後にした。

 グラム・ファルーク・ワルダク(Ghulam Farooq Wardak)教育相は出席者たちに「ブルカをかぶった3人の自爆犯が建築中だった住宅に侵入し、会議のテントに向かって携行式ロケット弾を発射した」と状況を伝えた。同相によるとうち2人は殺害され、1人は逮捕された。一方、タリバン側は銃とロケット弾で武装した4人の自爆要員を送り込んだと発表している。

 カブールの病院の医師によると、このロケット弾による攻撃で2人が負傷し病院で手当てを受けている。
 
 会議は4日に宣言を出して閉幕する予定で、宣言では反政府活動を終結させるための手順や、プロセスに含まれるべき集団、それらの集団への接触方法などが記されることになっている。2001年のタリバン政権の崩壊以来、同様の会議は今回で3回目。米国を筆頭に、カルザイ政権に同盟する欧米諸国はアフガニスタンの政治的成熟度を示す節目だとして、今回のジルガを支持している。

 アフガニスタンの戦闘状態は、諸外国が派遣した兵士1800人が犠牲となった今も収まる気配がないどころか、タリバンは5月、外交官や政治家、外国軍に対する新たな攻撃作戦を開始すると宣言した。米軍が主導する欧米諸国の部隊は現在13万人が駐留しているが、派遣に関する各国の世論は冷え込みつつある。

 米国がアフガニスタンから撤退しない限り、和平交渉を拒絶するとしているタリバンは今回の平和会議について見せ掛けのプロパガンダと非難している。(c)AFP/Sardar Ahmad