【5月19日 AFP】(一部修正)タイの首都バンコク(Bangkok)中心部を数週間にわたり占拠していたタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相派「反独裁民主統一戦線(UDD)」(通称「赤シャツ隊」)の幹部は19日、軍の強制排除を受け、数万人の参加者・支持者にデモの終結を宣言した。

 一方、軍はテレビ演説で元首相派を制圧し、デモ隊に対する作戦を終了したと発表した。国防相はAFPの取材に対し、バンコク全域に夜間外出禁止令を発令すると語った。市内はここ数日、一部は武装していたデモの参加者に軍が実弾を使用するなど、内戦の様相を呈していた。

■早朝から作戦

 19日の明け方、タイヤや竹ざお、鉄条網などで作ったバリケードに守られたデモ隊のキャンプを兵士らが包囲して強制排除が始まった。赤シャツ隊が作ったバリケードを装甲車で突破した後、両者が衝突した際に銃声が聞こえた。軍と警察は鎮圧用の盾と銃などで武装した要員数百人をトラックで投入し、上空にはヘリコプターが旋回した。

 各所のバリケードや占拠地区内の主要な建物数か所から巨大な炎があがり、バンコクは黒煙でかすんだ。強制排除の過程で、銃撃を受けたイタリア人の報道カメラマンなど少なくとも5人が死亡した。

■複数の幹部が出頭

 その後、元首相派の指導者は集会場の舞台に立ち、商業施設やホテルが立ち並ぶバンコク中心部を6週間にわたり占拠した抗議行動に終止符を打つと宣言した。

 政府が元首相派の指導者の一部はすでに逃走したと発表した後、元首相派の幹部のうち少なくとも4人が近くの警察署に出頭した。(c)AFP/Anusak Konglang