【5月11日 AFP】イラクでは10日、工場や救急隊、治安部隊を狙った爆弾攻撃が全土で相次ぎ、102人が死亡、約350人が負傷した。1日の死亡者数としては今年に入って最悪となった。

 イラクでは、8月31日までに米軍戦闘部隊が撤退する上で重要な意味をもつ総選挙から2か月が経ち、新政府樹立の動きが進んでいた。

 中部ヒッラー(Hilla)では、国営の織物工場の駐車場で帰宅する従業員がバスに乗り込んでいるところ、2台の車が同時に自爆。その数分後には、3台目の車が爆発したという。さらに1時間後、救急隊員らが被害者の救護にあたっているところで、爆発物を積載した4台目の車が爆発した。

 地元病院の医師によると、攻撃は午後1時半(日本時間午後7時半)ごろ発生し、50人が死亡したという。

 同日だけで合計20件以上の攻撃が発生しており、死者数としては、バグダッド(Baghdad)周辺で発生した車爆弾攻撃で127人が死亡した前年12月8日以来最大。バグダッドの治安部隊報道官は、治安部隊や市民を狙った組織的攻撃の可能性があるとしている。(c)AFP/Abbas al-Ani