イラクの「秘密収容施設」で拷問や性的虐待、証言報告
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【5月1日 AFP】最近まで使われていたイラク・バグダッド(Baghdad)の「秘密収容施設」で、収容されたイラク人男性らに対する暴行や性的虐待、電気ショックなどの拷問が行われていたとの報告書を、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch、HRW)が先月28日に発表した。
HRWによると、この収容施設はバグダッド西部にあるムサンナ(Muthanna)収容所で、昨年9~12月に拘束されたイラク北部ニナワ(Nineveh)州のイスラム教スンニ派(Sunni)反政府戦闘員らが収容されていた。同施設で虐待が行われていると米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)が報じたことから、イラク政府は2週間前に施設を閉鎖、収容者らを市内の別の施設に移送している。
HRWは26日、ムサンナ収容所で虐待を受けたと主張する男性42人の聞き取り調査をバグダッドのAl-Rusafa収容所で行い、報告書にまとめた。旧アブグレイブ(Abu Ghraib)刑務所での虐待を思い起こさせる恐ろしい証言の数々について、HRWは「信ぴょう性があり一貫したもの」だとして、独立した公平な調査の必要と最高機関による審査を求めている。
■生々しい虐待の証言
報告書によれば、ムサンナ収容所の看守は取り調べの際、収容者を目隠しして逆さづりにし、殴る、蹴る、ムチで打つなどの暴行を加えていた。さらに、呼吸ができないように汚れた袋を顔にかぶせ、収容者が気絶すると男性器に電気ショックを加えて起こしたという。
また、取調官や治安要員にほうきの柄や銃身で性的虐待をされたり、取調官や看守に対するオーラルセックスを強制されたりした収容者もいたという。太いケーブルでムチ打ちされた、酸やたばこで体を焼かれた、殴られて歯が折れたなどの証言もあった。(c)AFP/Arthur MacMillan