【3月18日 AFP】イスラエル南部のキブツ(農業共同体)で18日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)に影響を受けるスンニ派武装組織アンサール・アルスンナ(Ansar al-Sunna)がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)から発射したロケット弾が着弾し、外国人労働者1人が死亡した。

 ロケット弾は、欧州連合(EU)のキャサリン・アシュトン(Catherine Ashton)外交安全保障上級代表が、ガザ地区に約1時間ほど立ち寄った間に発射された。

 パレスチナから発射されるロケット弾への報復として、イスラエル軍が2008年12月末から22日間にわたりパレスチナ自治区を攻撃して以来、パレスチナのロケット弾による死者が出たのは初めてで、イスラエルは再び「強力な」報復を誓っている。

 キブツの運営関係者によると、このキブツではタイ人の労働者を雇い入れているが、死亡したのがタイ人かどうかについては言明を避けた。

 また訪問先のガザでアシュトン代表は報道陣に「いかなる種類の暴力も非難する。成功を目指してわれわれは中東和平交渉を前進させる必要がある」と語った。一方で同代表は、欧米が支持するパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長をガザ地区から実質、追放し、現在同地区を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の幹部とは一切会見するつもりはないと明言した。

 アンサール・アルスンナは動機について「このジハード(聖戦)の攻撃は、アルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)や聖なる地、そしてエルサレム(Jerusalem)に住むパレスチナの民を侵略するシオニストたちに対する答えだ」と犯行声明を発表した。(c)AFP