【3月11日 AFP】ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)は10日、ナイジェリアのプラトー(Plateau)州ジョス(Jos)でキリスト教徒の村が襲撃された事件について、「残忍な暴力が虐殺を引き起こした」と強く非難した。警察当局は109人が死亡したと発表している。

 法王は毎週恒例の一般謁見(えっけん)で犠牲者に哀悼の意を示し、市民および宗教の指導者に対し、「安全で平和な共存」に向けて取り組むよう呼び掛けた。

 赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)によると、今回の襲撃を受け、ジョス周辺の住民約8000人が自宅を離れた。

 警察当局によると、49人が殺人罪や共謀罪で起訴される見通しだという。ジョスでは1月、キリスト教徒によるイスラム教徒の襲撃事件が起き、少なくとも326人が死亡している。容疑者らは今回の襲撃が「報復」だったことを認めているという。

 地元住民によると、今回の事件は遊牧生活を営むイスラム教徒のフラニ(Fulani)族とキリスト教徒が多数を占めるベロム(Berom)族間でのウシの盗難をめぐる対立に端を発しているという。(c)AFP/Aminu Abubakar